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がん最前線

第4回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会

10月6日-7日、ヒルトン東京ベイで開催された第4回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会に、座長および演者として参加してきました。

この学会は、乳腺外科医と形成外科医が協力して、乳がん根治性を損なわずに美しい乳房を保つ(整容性の向上)ことを追求する目的で設立されました。この度の総会では、国内外から多数の乳腺外科医・形成外科医が参加し二日間にわたり熱い質疑応答がなされ、乳がん克服にかける強い思いを感じました。

総会の中で、日本での人工乳房による乳房再建術の現状についての報告がありました。2013年から人工乳房による乳房再建手術が保険適応になり、それ以後この手術件数が着実に増加してきているとのこと。さらに気になるこの手術のトラブル(合併症)発生率ですが、一次再建(乳房切除と同時に乳房再建を行うこと)の場合で約9%、二次再建(まず乳房切除手術を行い、その数か月後か数年後に再建手術を行うこと)では6%でした。この数値は諸外国と比べて著しく低く、我が国の形成外科医・乳腺外科医の技術レベルの高さをあらわしていると思います。とはいっても、一次再建を例にとれば、約10人に1人の割合で合併症が発生していますので、もっともっとこの数値が低下するように手術手技や術後管理の工夫・改良を行い、尾の手術の安全性を高めていきたいと感じました。

乳房再建については、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会ホームページの中で詳しく紹介されていますので、興味のある方はご参照ください。
http://jopbs.umin.jp/pdf/saiken.pdf